メンタリストDaiGoさんの著書「後悔しない超選択術」を読みました。
私は当ブログにおいて、選択は自分の直感であったり好きな方を選ぶことを推奨しています。ですが、今回紹介する本には
「なんとなくの積み重ねが未来を閉ざす」
と表紙に書かれており、私の考えとはやや違います。(また、DaiGoさんはご本人が投稿されている動画において、引き寄せの法則を否定しているため、私の考え方とは異なるところがいくつかあります)
だからといって、DaiGoさんの主張を論破してやろう!ということではありません。むしろ、他の著書を読み、一部のエッセンスを取り入れされていただくなど勉強させていただいております。
このように、やや考え方の違う私が本書を読み、印象的な箇所をピックアップした上でレビューしていきます。
本書を購入するか迷っている方は、ぜひ参考にしてくださいね!
プロローグ
表紙にもありますが「人は1日に約70回、人生を左右する選択をしている」と言われています。ですから、その選択肢は全て正しいものでなくてはいけない!と感じてしまいがちですが、そうではなく「後悔しない選択をすること」が大切だと述べています。
そして、覚えておかなければならないことが、「正しい選択肢は存在しないこと」です。
選ぼうとしているものが本当に良い選択肢なのか、(中略)その見極めができる目を養うためには、あなた自身の意思決定のスタイル(1章)を学び、後悔しない選択肢をするための準備(2章)と習慣(3章)を整え、あなたの判断を狂わせてしまう罠(4章)の存在を知り、選択肢を鍛える訓練(5章)を行うことです。(No.19より引用)
このような構成で進んでいきます。
選択の仕方にはスタイルがある
自身の選択は、自身の考えによって導き出したものではなく、5つの意思決定スタイル(人それぞれに異なる選択タイプ)に支配されていると主張しています。
その5つとは、
①合理的スタイル
…論理的に考えて選択
②直感的スタイル
…感覚を重視
③依存的スタイル
…他人の意見を重視
④回避的スタイル
…最終決定を先延ばしする
⑤自発的スタイル
…考えるより結論を急ぐ
重要なのは、自分の選択のベースとなっているスタイルを知ることです。
それさえ分かれば、自分の選択の癖がわかり、後悔する選択肢を選ぶことを避けられます。
また、この5つの中で最も後悔しない選択ができるスタイルが①合理的スタイルで、それ以外の人(②〜⑤は感情に影響される傾向がある)も①合理的スタイルを目指せば「後悔しない選択」ができるようになります。
ちなみにこの中の②直感的スタイルは、
自分が「正しい」と思ったことを肯定する情報だけを信じ、否定する情報を避けたり、無視する傾向がある(No.39より引用)
といわれており、これを心理学で確証バイアスと表現されます。
ボーリング・グリーン州立大学で行われた研究では、この確証バイアスにとらわれることで後悔しやすい選択をしてしまう…という結果が出ています。
さらに、5つの思考決定スタイルに加え、
①マキシマイザー
…常に最高の結果を求め続けるタイプ
②サティスファイザー
…ある程度の結果で納得できるタイプ
この2つの「選択肢の受け止め方」があります。よって、掛け合わせてトータルで10のタイプに分類することができます。
10もタイプがあると自分がどのタイプに該当するのか分からなくなりますが、本書にはタイプ診断があり、それでわかるようになっています。ちなみに私は典型的マキシマイザーでした。
後悔しない選択をするための準備
後悔しない選択をするためには、自分を客観視することが必要で、自分の判断が冷静にできているという思い込みを疑うことから始まります。
自分の選択は自分でしていると思いがちですが、実はそうではなく、無意識のうちに焦りや衝動などに影響されて選択をしています。逆に「自分で決めた!」という自信のある選択は後悔をしないものが多いということです。
第2章では、後悔する選択を促す「焦りや衝動」に惑わされないための6つの準備を紹介しています。
①人は衝動に抗えないと知る
…それを理解した上で、そういった場面を予測し、対策することが必要
②母数を意識する
…周囲の評判などを参考にすることがあるが、その評判数より母数を意識する(例えば、100人にアンケートをとったものと1000人にアンケートをとったものでは質が異なる)
③時間感覚を過信しない
…時間や労力を少なめに見積もってしまいがちなのを、客観視する
④第三者の目を意識
…周囲の人の意見を取り入れた上で、思い込みを無くし、選択をすることで後悔する確率が下がる。「誰かがこの選択を評価するとしたら?」と考えることで合理的選択がしやすくなる。
⑤未来の自分を想像
…この選択が(近い)未来の自分へどのように影響するか考える
⑥プランやコストを明確化
…スケジューリングをしておけば、それをする選択しかなくなる
この章で印象的だったことは、時間をお金に置き換える方法(コストベネフィット)です。最近私が意識していることですが、時間は本当に貴重です。
本当にしんどい時はともかく、惰性に負けそうになったら、時間をお金の価値に換算するよう意識すると、「やろう」という気持ちになり、あとで後悔することが減ります。
後悔しない選択をするための習慣
習慣を変えれば人生が変わると言われますが、それは「後悔しない選択」をすることにも共通しています。
その習慣を主に3つ紹介しています。
①複数のサンプルを用意
…複数の判断材料を用意することで、広い視野で選択する
②難しい選択は午前中に
…選択疲れが溜まっている午後は選択力が弱まっている
朝のうちに一日の行動プランを決めることで、選択に迷う機会が減る
③不安への対策をする
…ポジティブに捉えるか否かで選択の質が変わる
具体的な対策方法:呼吸法、瞑想
「複数のサンプルを用意」のなかで、本を読む際には別の意見の本も読むように書かれていますが、現在の私がまさにそれを実行しています。
選択力を鈍らせる5つの落とし穴
思い込みは判断力を鈍らせますが、それらを知り、自覚することで対策ができます。
①感情バイアス
…選択時の感情が選択に影響を与える
→ストレスの大きい時に重要な判断をしない
②プロジェクションバイアス
…現時点の感情から「未来はこうなる」と見積もり選択をする現象
③サンクコストバイアス
…コストを回収できず冷静さを失い、さらに後悔する悪循環を指す
→手放すには今に目を向けるマインドフルネス瞑想がおすすめ
④正常性バイアス
…ずっと自分にトラブルは起こらないと考えること、自分だけは大丈夫という思い込み
⑤メモリーバイアス
…過去の記録にとらわれて選択をすること
→様々な記録を書き起こすことで負のメモリーバイアスから離れる
後悔しない選択をするためのトレーニング
これまで紹介したことを理解した上で、どう行動すれば良いかを5章で説明しています。
①感情を操る
…外国語学習をすることで感情表現が増え、冷静になれる
②一日再構成法
…1日の選択肢で幸福だと感じたことをメモする→自分にとって何が価値ある選択だったか見返すことができる
③トーナメント方式
…選択肢の数を減らし、2つを比較して選ぶため、十分に選ぶことができる
④あえて空腹にする
…適度な空腹状態が判断力が高くなる
⑤コアバリューノート
…日記形式で大切にしている価値観を記録することで思考を整理する
まとめ・感想
本書において「後悔しない選択をする」ために必要なことは、論理的に考えることであると主張し、そうするためにどういった行動を取れば良いか…ということが書かれています。
私が本書の中でなるほどと思ったのが、「自分の選択は自分でしていると思うようでそうではない」ということです。
DaiGoさんによると、自分の多くの選択(後悔しやすい選択)は、無意識のうちに衝動や焦りの影響を受けているということです。
逆に、絶対的に自分で選んだ!と思える選択は後悔しにくい選択に該当します。前者の場合は、「無意識」が影響していますから、その「無意識」を変えればより良い選択ができるのではないかと考えました。
もちろん、「無意識」の部分を変えることは安易ではありませんが、それこそ普段の「考え方」をプラスの方へ持っていき、アファメーションなどで潜在意識に良い思考を刻み込めば、無意識で行う選択の質も上がるのではないかと思います。
直感重視の私からすると真逆の意見を書いた本ではあったものの、とはいえ、優柔不断な一面がある私にとって大変勉強になりました。
論理的に考える術を身に付けたい方や、逆に直感主義の方も一読の価値がありますので、ぜひ読んでみてくださいね。