京大卒・元「日本一のニート」phaさんの著書・「しないことリスト」を読みました。
結論から言うと、もっとこういう考えが広まってほしいなぁ…というくらい心が軽くなる内容で、非常におもしろかったです。
本を読むとき、気になったところにふせんを貼るのですが、今回ふせんを貼ることが多かったです。
できることなら中高生くらいの時代に出会いたかった。もしその時代にこの本を読んでいたならば、周りの目を気にせずもっと好きなことができていたかもしれないし、視野も広まっていたと思う。
しかし私も大学を卒業してやっと敷かれたルートを外れたようなものなので、自分の心の声に気付けたという意味では結果オーライなのだろうかとも思う。
以下、印象に残った点や感想です。
やっぱりモノは少ないほうがいい
まず、ミニマリストや断捨離に関心がある身として気になったところ。
p21-(中略)たくさんのモノを持つほど、一つ一つの扱いはおろそかになってしまう。だから、どんなに広い家を持っていたとしても、人が有効に活用できるものの数には限りがある。
これは実際私がモノを減らすようになって実感したことでした。
それを改めて文章で読むとハッとするものがあります。
シンプルライフを目指して、ものを手放す…という方は増えていますが、多く聞くのは「お気に入りのモノに囲まれた暮らしがしたい」という声。私自身もそうです。
お気に入りといっても、あれもこれも…ではなく、「本当に」好きなもの。
それを見極めて、手放すか否か…という作業をしているのだけれども、その果てには、例えモノの数が少なくても質の高い環境が待っているのだと思います。
「あれがない、これが欲しい…」とういう欲は時にストレスになりますが、このことに気付いていれば、その心配もない。幸せなことこの上ありません。
あと気になったのが、レンタル・シェアを活用するということ。phaさんはシェアハウスで生活をされているそうなのですが、生活するための家をはじめ、様々なものをシェアしているそうです。
たまにしか使わないようなモノだったら、確かにレンタルやシェアで済ませたいもの。私自身はCDやDVDくらいしかレンタルサービスを使ったことはありませんが、例えばスーツとか、衣服はレンタルでもいいかな~なんて考えています。もっとそういうサービスが増えたらいいのに。
…と思ったらあった(2019年5月26日追記)
マルイでリクルートスーツとバッグが月4320円でレンタルできるサービスが始まった。質の良い、今の体型に合ったスーツが借りられて、ジャケットとスカートのサイズ違いも選択可。短期で就活が終わる見込みの人、入社後制服や私服で働く人は買うよりも経済的なはず。私の時にあれば是非利用したかった。 pic.twitter.com/i8eYgR0yhM
— 人間のマカロン (@macarronneko) May 23, 2019
ちなみに私、運転免許を持っていながら移動手段は必ず電車か自転車です。
車を持つとあまりにもコストがかかるし、自分は運転に不安があるため、そうしています。公共交通機関を利用しているという点ではシェアすることを活用できているのではないかと思います。
何でもお金で解決しない
「お金で解決しない」では、お金を稼ぐために働いているのにそのストレス発散のためにマッサージに行ったり、気晴らしに遊びに行ったりなど働くためにお金を使う…ということを意味のない堂々巡りだと指摘している。
まさにその通りだと思う。私は非常に自分に対してケチなので(交際費や趣味のためなら結構使いますが)普段の買い物では、「これ買うために使うお金は時給で換算すると…」と、いちいち考えてしまう。
結果、無駄遣いが少なくて良いのだけれど、その考えの根底にはまさに働いて得た金をいかに有効に使うか…という考えがあるんだと思う。
たまに自分でつまんない奴だと思う時もあるけれど、たまにはフードコートで注文したり、コンビニでお菓子を買うことだってある。
数か月に一度くらいで、たかが数百円くらいの出費だけど、普段ケチっているので個人的には結構贅沢だったりする。このことについて、本作では「普段とのギャップがあるからいい」と書いてある。
普段から数百円のお菓子とか買っていると、千円~のものでも買わなければ贅沢した気分にはなれない…ということだ。
想像力の大切さ
p108-ちょっと今の社会は、何か事件を起こしたり、生きるのが下手だったりする人に対して「自己責任だ」とか「ちゃんと考えて生きていればそんなふうにはならない」とか、責める声が大きいということを感じる。(中略)現在うまくいってない人だって、そうなりたくてそうなっているわけじゃない。
私もかつてはどちらかといえば責める側の人でした。
大学入る前までは、本物のバカだったので、正社員にならないと人生終わりだと本気で思っていたし、働いていないニートは甘えだと思っていました。
それは、やりたくない勉強を無理やりやって、行きたくない学校へ毎日行く…ということをただ根性論だけでやっていた自分が、勝手に周りに押し付けていた価値観でした。口には出していなかったけど、そう考えていた自分が恐ろしい。何が恐ろしいかと言うと、想像力の欠如です。
それぞれ、事情や環境が異なるのに、何故皆同じようにできるだろうか。
そんなことが全く分かっていませんでした。おかげさまで、大学生になってから様々な体験をさせてもらい、そんな凝り固まった思考はなくなりました。
もし、ずっと根性論に縛られたままの考えで生きていたならば、今頃きっと私は毎日嫌々出社して愚痴ばかり吐きながら、頑張れない人を責めるような人生を歩んでいたと思う。いやはや、恐ろしい。
まとめ
まだ取り上げたい箇所はあるのですが、長くなりすぎてまとまらなさそうなのでここまで。読んでみて、かなり共感できる部分が多く、ここ数年の自分の考えに似ているなぁ…と思いました。
ただ、自分はそれをうまく表現することができないので、賢い方に文章にしてもらってそれを客観的に見たという感じです。
所謂フツーの生き方というやつに、違和感や窮屈さ…生き辛さを感じている方にぜひ読んでいただきたい本です。
※この内容は、2018年1月13日に私が書いたものをリライトしたものです。